ゆーすけと愉快な仲間達。アヒャ!

N店長とのありえない再会(1)

時は年末。
俺は札幌で虐げのハメもどきの仕事に従事していたが、さすがに年末年始は休みとのことで、実家に帰っていた。

真っ昼間から酒でノマノマし、ガランドウのごとく何も無い部屋でただ1人その時が迫るのを待つ。

。。。そうだ。あの怒れる獅子の申し子である、悪魔的DQNのN店長に4年振りに再会できるハズなのだ。

これでもか!というほどのワンマン独裁店舗を作り出していたN店長。

時には寿司をぶん投げ
時にはバイトの女に蹴りを入れ、
時には油交換で「お前、見てろ!こうだから!こう!こうっ!!
時には本Dの自然的ハメにより「ぉぁぁあいつ!!!揚げ物入れっ放しで借り物行きやがった!!」

こんな衝撃的シーンを何度も繰り広げてきたN店長。
バイト連中は皆一様に恐怖の果てに追いやられ、新人バイトは極度の虐げの元、すぐに去る。
それでも残っていたヤツラは無理矢理バキバキに強くなり、もはや右に出る店舗が無いレベルに達していた。洗脳されすぎ。

そのN店長は別の店舗に異動したあと、何ヶ月か後に幹部に昇格。まぁ、あれだけ仕事が出来れば誰も文句は言わないだろう。むしろ当然然るべきと言った所か。
かなり異例のスピード出世だ。絶対裏で何か怪しげなモノがウゴめいてやがる。

俺と本Dにとっては、肩書きが「店長」でなくなっても「N店長」は「N店長」だ。係長だの部長だの課長だの、限りなく似合わない。無理。これ以外、無いから。
よって、今後も「N店長」として書き続けるし、それはそれで解り易くて良いとも思う。思いえるから。

そして最近、その悪魔がなんと!蝦夷を菱形亜空間ワープでたらい回しにされた挙句、現在俺の地元の地区の担当幹部になっているという情報を得たのだ。もちろん俺と本Dは狂気乱舞する。

 

本D「いやぁ~、あのDQN店長に会わねぇと!」

俺「自虐すぎwwもうネタだろ?」

本D「いやいや、また生で“ありえねぇから!”って聴けると思うとよぉ。」

俺「そんな言葉を発する時は、間違いなく俺たち生きていないぞ?ww」

本D「確実にブチ殺されているなww」

 

なにがなんでもネタ。あれほど二度と会うまいと願っていたN店長の存在。不思議なものだ。これでもう会うことが無いと思うと、無性に虐げられてみたくなる。すでに病気だろ。
いよいよ既出な過去ログを漁って、蒸し返す時が来たのだ。よし。

俺は大晦日の夕方、本Dに電話をかけてみる。

 

俺「おおぅ!帰ってきたぜー」

本D「お・ま・え!ありえねぇから!ヽ(゚∀゚)ノ 」

 

そうだ。実はこの時点で本Dとは半年近くも会っていない。俺の仕事の虐げもそうだが、なにより本Dの会社は電波少年なので、猿岩石なのだ。ユーラシアーヽ(゚∀゚)ノ

 

俺「悪魔的腐れ居酒屋にはいつ行くのよ?」

本D「ああん?今日だ。今からだ。」

俺「なにっ!?ありえねぇからwww」

 

まだ腐れ居酒屋は開店前。なのに、これから行くと言うのか?あのな、パチ屋の開店前金髪ジャージDQNみたく並ぶのかよ。横入りなんてさせえねぇから。

 

本D「時間的余裕が今日しか無いんだ。スグに行くぞ。」

 

狂いすぎ。大晦日の居酒屋に開店前から店の前に張付いている2人の光景を想像してみた。2人して「アヒャ!ヽ(゚∀゚)ノ 」だの「ありえねぇから!」を連発してだ。
…通報されるだろ。酷いな。俺たち。

そうは思いながらも、本D宅に到着。少しばかり狂いの宴を繰り広げて、いよいよデーモンズエリアに特攻することになった。ハイブだ。バイオハザード起こるぞ。

 

本D「いやー、もうすでに目の前が真っ赤になってきたんだけどww」

俺「ヤバイのか!?アレか、オーブが見えるんだな!?」

本D「ぐぅぅああああっ!前が!前がぁ!!」

 

本Dの運転する車内で2人して発狂状態。
オーブ(心霊現場で写真に写る光のような丸い物体。一種の心霊写真)をN店長のオーラに見立てて、よく霊が怒ったサインとも言われる「赤い光」も混ぜての比喩表現。実際にN店長は真っ赤な獅子だが。
よくこんなテンションで俺達は狂うが、この日は本当に酷かった。気が違えてたね。なにより、N店長に「ありえねぇから!」を生で言わせるのが目的なのでハシャギ度にも力が入る。

 

本D「コの字ハメー!ヽ(゚∀゚)ノ 」

 

幾度と無い危険極まりない本Dの運転を経て、ついに腐れ居酒屋に到着。車から降りて、店の前へ。

 

本D「赤いオーブがぁっ!オーブがぁっ!!」

俺「前がっ!前がっ!見えませーん!!!ヽ(゚∀゚)ノ 」

 

変人2人組が悶絶しながら店の中に入っていく。

 

男店員「いらっしゃいませー。お2人さまですか?」

俺と本D「はい」

男店員「どうぞー」

 

テンションを抑えつつ、変わり映えのない店内を歩いていく。
そして男の店員は右に曲がった所で止まり、

 

男店員「こちらのお席にどうぞー」

 

無視。

俺達は男の案内に耳も傾けず、勝手に左側に曲がり、ヅカヅカとカウンター席に座る。こうだから。

 

男店員「。。。こちらメニューになって…」

俺と本D「コーラ」

 

有無も言わさず「コーラ」。春と一緒のパターンだ。
メニューを広げられる前に「コーラ」。開店直後の他の客ゼロの居酒屋に入ってきた男2人が「コーラ」。案内もされていないカウンターに勝手に座って「コーラ」。俺達バカじゃねぇの?

 

男店員「は、はい。。。少々お待ちください。。。」

 

俺のバイト時代に見たことも無い男店員だったが、大地の赴くまま自然の摂理に乗っ取って虐げ。なんて淀みない空なんだろう。

俺達の大晦日はまだまだ終わらない。。。

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N店長とのありえない再会(2)

悪魔のN店長にもう一度「ありえねぇから!」を!

こういったなんともありえないコンセプトの元、俺と本Dは腐れ居酒屋に来ていた。暴挙だ。
先ほど注文したコーラ2つがやってきて、何気に料理も頼んだりして食べる俺達。前回、春に訪れた時は2人でコーラ4杯のみで2時間居たしな。すごい成長ぶりだ。

 

本D「いやぁ、調理場の奥の方から、真っ赤なものが感じられるぞヽ(゚∀゚)ノ 」

俺「ぐぅあああっ!視界がぁ!目がぁっ!!」

 

テンション絶好調。他に客が居ない店内で騒いで笑いまくる男2人。酒入れてないのに自己啓発しすぎ。

 

俺「そういや、N店長は見当たらないよな?」

本D「影から覗いてるんじゃね?そのうち来るぞ。ニヤニヤニヤニヤしながら“見て見て~!これ、なんこつだって~!・・・ありえねぇから。作り直せや。”ってww」

俺「ありえねぇからww」

 

そうだ。俺達はすでに準備万端なのに、肝心のN店長が居ない。それどころか、春に虐げた山田崇も見当たらない。これはどうしたことか?
そこに、見たことがある女が寄ってくる。

 

女店員「あら!ゆーすけくんじゃない!」

おおおっ!貴方はっ!

。。。

誰だっけ?

いや、正直顔は覚えているが、名前が思い出せない。というか、俺が毛嫌いしていた女だ。自ら話したことがほとんどない。記憶にない。どーでもいい。無いから。

 

俺「あー。。。はいはい。。。」

 

適当に応対する俺。ホント誰だっけ?もう少しで何か出そうなんだが。。。

まぁ良いや。そんなことより、N店長だよ。山田崇だよ。

 

俺「ああ、N店長がこの地区の担当になったんでしょ?」

女店員「そうそう。もうサイアク~」

俺「いや、最高だから。というより、今日は居ないの?」

女店員「今日は釧路だよ。」

 

はぁ!?なんだそれ!?くしらねぇから。
とんでもない発言に驚愕の色を隠せない俺達。なんだよそれ。ぬるぽだろ。どうあがいても会えないんだけど。

 

俺「アジで?ありえねぇ。。。・・・んじゃさ、山田崇は?」

女店員「山田くん?札幌で店長やってるよ。」

 

な・ん・だ・と!?あいつが店長??

 

俺と本D「ぎゃははははは!!!あの時の究極の選択、“社員になって店長目指すかクビ”そのものじゃん!!狂いすぎwww」

 

ドシャバの山田崇が店長になっていたとは。。。ヤバイ。ネタすぎる。ゆーすけの愉快な仲間達の「山田END」が現実のものとなった。まさに暗躍しすぎ。

 

女店員「蚊夜ちゃん、妊娠したって。」

俺「蚊夜?蚊・夜??ありえねぇから。すでに知ってるから。ぎゃははははは!!!ヽ(゚∀゚)ノ 」

 

全てがネタだ。間違いない。皆、酷い方向に飛び立っていっている。やはりこの空間は極度に膿んでいる。ギャァオ!ギャァオ!グレムリンか。

笑いが狂ったように止まらなくなった俺。本Dも真っ赤な顔で爆笑している。
女店員は、俺が名前を思い出せないまま去ってしまったが、気狂い悪戯は終わらない。

 

調理場の男「僕、山田さんに教わりましたよ。」

 

調理場からカウンターごしに話掛けてくる男。誰だこの人?教わった?何をだ?

 

俺「如何に女に暗躍するかでしょ?ww」

調理場の男「いやいや、違いますよー。良い人でしたよー。」

俺「違わないから。騙されているから。丸め込まれすぎww」

本D「アレでしょ?女バイトと上がる時間が一緒の時、猛ダッシュで車まで走って、車を店の前に持ってきて、息を切らしながら店内に入って“乗ってかない?送っていくよ?”とかでしょ?www」

俺「暗躍失敗しすぎwwwヽ(゚∀゚)ノ 」

 

ワケが解らない様子の調理場の男。いや、いいから解れよ。スグだから。こうだから。こう
とりあえず誰であろうとネタをばら撒く俺と本D。イカレ具合にも拍車が掛かってきた。こんなことやる奴、変人だろ。

N店長も山田も居ない。調理場では唯一知っている世津蔵という男が残っているが、こいつはもうスロット中毒だから使えない。目の玉が上下運動しすぎ。

特に何もなくなった俺達。おもむろに本Dがカウンターのセットと食べ終わった皿を駆使して、またもや奇妙な物体を制作。「可動式モナーヽ(゚∀゚)ノ 」春同様、カウンターを荒らしに荒らしてる。
すでにいつ出入り禁止になってもおかしくない状況。それだけのことはしてる。けど、この店にはそれだけのネタがあったんだ。後世に残しておきたいじゃないか。常に。植えつけるから。

そんな折、今度は今の店長らしき男が現れる。

 

俺「すいません。」

男店長「はい?」

俺「今日、N店長って、この店に居ないんですか?」

 

しつこい。改めて聞いてみる。探りえるから。ここまできたら、何か鮮度のあるネタを仕入れないと気が済みえない。なんでもいいから話せ。

男店長「今日は室蘭ですよ。」

 

室蘭!?む ろ ら ん!?

 

俺「はぁ?アジで?」

男店長「はい。間違いないです。」

 

キタ-----ヽ(゚∀゚)ノ ------ッ!

イキナリの返事に、気が狂いそうになった。N店長の今日のアジトは近場の店舗の室蘭。金髪ジャージボコボコエアロクラウンが暗躍する室蘭。俺の大嫌いな街。
つうかどこが釧路よ。俺が名前忘れてると察したんで、菱形ハメしようとしただろ。このやろう。
なんという開放感。あんなに酷かった虐げの空間も、柔らかな陽射しが掛かる心地良い空間に。ビフォー&アフターだ。

 

本D「よし。行くぞ!ヽ(゚∀゚)ノ 」

 

なにぃ?本気か!?これから行くのか?ありえねぇ。大晦日に何やってるんだ俺達。

もうこの店には用は無い。居る意味すら無い。ゼロ点だ。サヨウナラ。
息つく間も無く、俺と本Dは会計を済ませ、車に乗り込んだ。

年末総決算の大ネタはまだ続く。。。

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N店長とのありえない再会(3)

ついにN店長との再会が実現直前。大晦日の夕方にわざわざ悪魔金髪ジャージの巣窟、室蘭市に向かう俺と本D。

行きの高速では、もう狂いの頂点。

 

本D「赤い!オーブがっ!オーブがっ!」

俺「前が!視界がっ!」

 

絶対だ。ドライブスルーシナチクな勢い。

終始こんな感じだったが、もうこの時点がピーク。どう見ても車の中で暴れてる。酷い。
そして、光のごとく速さで室蘭市に到着。俺達、どれほどN店長に会いたいのよ。

店舗の場所は、以前一度来たことがあるので、なんとなく解る。元々ヘンピな街だが、さらに奥まった怪しげな場所にあるのだ。
ウロ覚えの飲み屋街を彷徨いながら、店を発見。俺達は近場の駐車スポットに車を停め、いよいよダークゾーンに向かって歩き出す。

 

俺「うぅぅぅああああっ!赤い光がぁぁぁっ!」

本D「怒ってる!怒ってる!ヽ(゚∀゚)ノ 」

 

大晦日という、新年の前の一年で一番静けさ漂う時に、地元じゃない街で叫びまくる俺達。なんて邪悪なのだろう。マトモなら、ありえない。

そんなマトモではない男2人の目の前に、ついに問題の店舗が登場。

 

俺「出た!ヽ(゚∀゚)ノ 」

本D「アヒャ!ヽ(゚∀゚)ノ 」

 

俺はとりあえずデジカメでパシャリ。

悪魔の潜む店舗

 

俺「ぐぅぅああっ!!ブレた!見えない力がっ!」

本D「呪いがっ!ヽ(゚∀゚)ノ 」

 

なんということだろう。普通に撮ったハズなのに、思いっ切りブレる写真。わざとではない。ありえない異次元からのパワーによって生み出されたに違いない。N店長が怒ってる!ヽ(゚∀゚)ノ

まるでどこかの心霊スポットにでも赴いたかのような勢い。むしろ、それより怖いのだが。
なんとか店の前に到着するが、ここはチェーン店として同じ建物に2つ入っているので、どちらにN店長が居るのかわからない。
ひとまず外から1階の中を伺う俺達。

 

本D「ここかっ!?見えねぇぞ!」

俺「見つかったらヤバイってww」

 

自分達の勘を信じて、1階には居ないと判断。じゃあ2階か?
おそるおそる2階に上がってみる。

 

本D「こっちのような気がする。。。」

俺「中が見えないよな…突撃するか?」

本D「うーん。。。」

ブゥゥゥン。。。

躊躇しているのも束の間、嫌な擬音と共に自動ドアを開けてしまう。ヤバイ。シャバイっ!撃たれるっ。。。!

 

男「いらっしゃいませ~!」

ぐぅぅぅあ・・・っ!

。。。

あれ?

なんとそこに出てきたのは知ってる顔。N店長ではない。佐崎さんという、俺がバイトで入った時、同じ店に居た社員だ。

 

佐崎「おおおっ!!おまえら久しぶり!!」

俺「N店長は居ます?」

佐崎「下の店舗だよ。いやいやいや、久しぶりだな~。今日はどうし・・・」

俺「ああ、じゃあいいわ。

ブゥゥゥン。。。

 

踵を返して問答無用で去る俺達。
仮にも、4年ぶりに会った佐崎さん。久しぶりの再会で、佐崎さんもテンションが上がるピークに、イキナリ去る。
久々に会って、色々と話したいこともあっただろうに、俺の「じゃあいいわ。」
佐崎さん、顔とか紅潮してウキウキ顔になった瞬間に「じゃあいいわ。」
2階の店舗、滞在時間10秒。サヨウナラ。

 

本D「ぎゃははははは!!!なんだよアレwww “じゃあいいわ”って、虐げすぎwww」

俺「えっ?だって、N店長いないんでしょ。」

本D「佐崎さんだって久々に会って、これからって時に“じゃあいいわ”www 去りすぎwww」

 

急に面白くなってきた俺。さっきはほんと自然に出た言葉だったが、あまりの突然の去り方に楽しさ満開。酷いわ。

予定にはなかった佐崎さんを見事にアドリブで虐げて、いよいよN店長の棲む下の階に。

 

「ぐあああっ!もう駄目だ!!ヽ(゚∀゚)ノ」

本D「赤い!赤い!赤い!ヽ(゚∀゚)ノ 」

俺「いくぞ!」

 

ブゥゥゥン。。。

男「いらっしゃいませ~!」

 

悪の領域に突入。ここはもう現世ではない。

 

俺「あの、、、N店長って居ます?」

男「はい。居ますけど?」

本D「ぎゃああっ!ヽ(゚∀゚)ノ 」

俺「ウヴァああっ!ヽ(゚∀゚)ノ 」

 

とりあえず席に案内される。「本Dとゆーすけですけど、N店長を呼んできてもらえます?」と言って着席。ついに来た。ありえない悪魔と面談だ。
密かに俺はデジカメと携帯を忍ばせ、なんとか暗躍しようと企んでいるが。。。

まだ続く。。。

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N店長とのありえない再会(4)

ついに悪魔のN店長と再会を果たす時が来た。向かうべきは俺と本D。ヤツのオーラだけで俺達2人ごときは一瞬のうちに自我崩壊しそうだ。

案内された席でその瞬間を待つ。

 

俺「いやぁ、もう吹き飛ばされそうだw」

本D「危険な香りが漂ってきてるw 目の前がっ!ヽ(゚∀゚)ノ 」

 

と、そこに。。。

 

N店長「おう!おまえら!」

 

出た!!!N店長だ!!!

ついにこの瞬間を迎えた。ああ、酷い。
あの虐げの店舗での数々の虐げ。
「ありえねぇから!」から始まって、「これ以外、無いから。」という問答無用の仕打ち。
「駄目だから。」「こうだから。こう!こうっ!」「お前これ食えるのかよ!食え!!」
今でも内輪で長々と続く幾多の伝説的言動が蘇る。とうとう召喚してしまった。魔界村だ。

 

本Dと俺「お久しぶりです。。。」

N店長「よく来たな!いやぁ、懐かしいなぁ。おまえら、全然変わってないよなー」

本D「N店長こそ、お元気で。。。」

 

久々に見たN店長は、4年前の当時よりは多少ふっくらとしていた。幹部に昇格してから、色々と贅沢をしてるのだろう。この会社は皆そうだ。

 

N店長「よくここに居ると解ったな?」

俺「トマコマキで聞いてきたんですよー。室蘭なら、すぐだったんで。。。」

本D「いやー、やっぱりN店長に逢わないと年を越せないなって思って。。。」

N店長「おいおい、ホントかぁ~!?」

 

ニヤニヤニヤニヤしているN店長。ウソだろ。そのうちスグに「ありえねぇから!」発動するんだろ?その笑顔の裏に秘めているんだろ。隠しえねぇから。

 

N店長「おまえら、今は何やってるのよ?」

俺「僕は札幌でWEB関連の仕事を少々。。。」

本D「僕はトマコマキでトラックのドライバーを。。。」

N店長「なぁ~んだぁ!?おいおいおい、洒落たことしてるなぁ。」

 

貴方が洒落になってない。

 

本D「Y識覚えてます?あのバイトの女。昔、蹴り入れたじゃないですかw」

N店長「いやいやいや、蹴りとかさぁ、俺もう丸くなったんだぜ?他の人に聞こえるからよぉ。」

 

丸いハズがない。

 

俺「そういえば、トマコマキのバイト連中、N店長のことを怖がってましたよ。」

N店長「ああん?だってよぉ、店長がしっかりしないとよぉ、俺が言わないといけないだろ。いやいや、これでも丸くなったんだけどよぉ。」

 

四角だろ。

 

俺「でもやっぱり、N店長だからこそあれだけ最強の店舗だったんですよ。厳しいながらも結束力は素晴らしかったですし、メリハリがありましたよ。僕は未だにN店長を尊敬していますよ。」

N店長「まぁねぇ、今はもう駄目だな。この会社も人が減ってるし。しかし、ホント懐かしいよなぁ。あの頃の店は楽しかったよなぁ。」

 

バイト内だけは楽しかった。

 

昔話に花を咲かせる。とにかく俺達は恐る恐るN店長とのコミュニケーション。下手したらスグに奈落へ追いやられる。
俺は携帯もデジカメも持参して、あわよくばそれらを駆使して「記念に」暗躍するつもりだったが、状況が状況なので危険と判断。
もし見つかろうものなら「ああん!?なんだよそれ!ありえねぇから!」とか言われて、即Shift+Deleteだ。ゴミ箱行かずにエンディングを迎えることとなる。いくらなんでも命は惜しい。

そして話も佳境に差し掛かった頃、N店長が言う。

 

N店長「そうそう、俺よぉ、来年から“エリア統括補佐”になるのよ。」

俺と本D「ええっ!?昇格ですか!」

 

なんと、この蝦夷の大地を統括する地位にレベルアップすると!?悪魔の全権制覇の日が刻々と近づいているのか!?

最恐だ。

ありえない裏技なのかなんなのか、いよいよ虐げを蝦夷に蔓延させるらしい。まぁ、この人の実力だと順当と言えば順当か。
そうして、なるほど納得したのも束の間、本Dが気狂いの言葉を発する。

 

本D「N店長、“ありえねぇから”って言ってみて下さい。」

 

あ、ありえねぇから。

あのよ、「直」で聞くやつがあるか。ストレートすぎ。もはや死をも覚悟しての言動に、俺は呆気にとられた。
繰り出すのか?ついに繰り出すのか?

 

N店長「なんだよそれw」

 

なにっ!?

 

本D「いや、昔よくブチ切れると口癖で言ってたじゃないですかw」

N店長「そうだっけか?いやいやいや、覚えてないなぁ。」

 

嘘つけ。

なんと、N店長は覚えてないという。あれだけ「ありえねぇから」で店中を恐怖のどん底へ陥れておいてだ。酷い。酷すぎる。
おそらく周囲の目を気にしてトボけてるだけだろうが、貴方が言わないと、俺達の目標が達成できないんだよ。4年前の記憶を鮮明にフェードバックさせてくれよ。

 

N店長「そうだ。おまえら携帯番号教えてくれ。」

 

ウヴァァ('A`)

教えざるをえない俺達。足掻くことすら許されざるべからずだ。

 

N店長「いやあ、これで連絡取れる。

 

取らなくて良いから。取りえねぇから。無理。俺は常に電話に出れない。
見事に鎖でハメもどきの虐げを食らった俺達。顔も真っ青だ。

そんな状況で、さらに追い討ちをかけられる。

 

N店長「ああ、ゆーすけ。そういえば俺が居なくなった後で色々と言ってたらしいな?」

俺「え、えっ!?なんのことです??」

N店長「俺のことを色々とネタにしてたみたいじゃないか。」

 

凍りつく俺。ヤバイ。もしやサイトを知られている?N店長はネットをする記憶がある。いや、違う。店舗内でのことだ。確かに俺は後々までバイト中にネタにしてた。いや、でも死ぬ。今度こそ死ぬ。

 

俺「いやぁ、“最高の店長”だって言って、戒めてたんですよー。あ、そういえば・・・」

 

淀みない流れで話題をそらす俺。こうだ。これ以外、無いから。
間一髪、アドリブりえた。この危機的状況は本気でありえないと思った。

 

N店長「じゃあ俺仕事に戻るからよ。また後で来る。」

 

30分も話しただろうか。N店長は一旦去って行った。

 

俺「いやぁ、変わってなかったな。」

本D「むしろエリア統括とか、強すぎw悪魔転生だ!ヽ(゚∀゚)ノ 」

 

顔を真っ赤にして気狂い笑い話で盛り上がる。
そうして、またしてもソフトドリンクのみで酷い宴会を繰り広げていると、N店長が再登場してきた。

 

N店長「おう。これ食え。」

 

なんと、わざわざメニューに無い年越しソバを作ってきてくれたではないか。悪魔が見せた一瞬の仏。レアだ。

 

本D「“おまえ、食えるのかよ!食え!”だww」

 

まさにそうだが、俺達は地味に感動していた。久々に、しかも逢いに来てくれたのだから、N店長も嬉しかったのだろう。
ソバをすすり、少し落ち着いてきた俺達。

 

俺「そろそろ帰るか?」

本D「あれ?N店長、“あとでまた来る”って言ってなかったっけ?」

俺「・・・帰ったらヤバイかな?」

本D「電話番号も教えたしな。。。電話かかってくる!?ヽ(゚∀゚)ノ 」

俺「“お・ま・え・ら!”って?w」

本D「てめぇ!なに帰ってるんだよ!ありえねぇから!!

 

逃げるべきか。ハマるべきか。
非常に難しい選択肢だったが、幸いにもN店長は奥に篭って見えない位置。よし。

脱兎のごとく光の速さで会計を済まし、店を出てみた。電話?もし掛かってきても出ないから。

 

本D「いやー、今頃顔真っ赤にしてブチ切れてるかな!?」

俺「ありえねぇから!」

 

もちろん切れてはないだろうが、気狂ってる俺と本Dのテンションは絶好調。

 

俺「ああそうだ。もう一度佐崎さんの所に行って“じゃあいいわ”って言って一瞬で去らないとww」

本D「無いからww」

 

大晦日に往復120キロも飛ばしたのは、どうしても逢いたかったから。
写真や動画や音声を撮れなかったのは、仕方が無い。それこそ自害するようなものだ。
それでも、思い出のN店長に逢えるということは、俺達にとって最重要な優先事項だった。
魔界村だと思ったが、実は超魔界村だった。アリーマ、赤すぎ。

こうしてN店長とのありえない再会は終わった。

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