ゆーすけと愉快な仲間達。アヒャ!

蚊夜の暗躍(1)

時は芝原店長時代。

親友である本Dは前の店長に虐げられてもう店にはいない。もう1人の親友S裏は、同じ系列店で近くにある腐れ居酒屋で暗躍していた。

この時代のウチの店の構成は、店長は芝原、主任が四氏朗、バイトは一番の古株である俺、そして2番目に古い蚊夜という女、そして親友S裏の当時の彼女、その他何人かの普通の人達。

比較的ほのぼのとしたメンバー。まったりおっとりと仕事に勤しんでいる。ただ、蚊夜という女だけを除いては。

この蚊夜。元々の気性が荒いのに加えて、協調性に欠ける部分があり、さらには男に媚を売りまくって暗躍しまくるDQN。そりゃ、あゆも好きだわ。モノマネも上手いしな。

なにより、俺と根本的に合わない。今時の20歳といったところか。正直俺が苦手なタイプ。時々衝突していたのだが、その時はお互いに何も喋らなくなる。まぁ、普段からお互いに話そうとしないのだが。大体、話も合わないし、それ以前に蚊夜は人の話を聴かない。

こんな状況の店なのだが、ある時一同勢揃いの飲み会があった。

場所は地元では比較的メジャーな居酒屋。たいした料理や酒は出ないが、営業時間が遅くまでやっているので人気がある。よくありがちな職場の飲み会みたいなもんだ。

この時は芝原店長も参加。あとは俺と蚊夜とS裏の彼女、そして何人かのバイト。なんとまぁありえない構成だ。下手なことはできないな。

特に問題もなく、順調に飲み会は進行。すでに酔っている芝原店長の言葉にテキトーに相槌を打ちながら、そしてS裏の彼女も何故か酔っていて、俺に酔って来てくっついてきて「ゆーすけくん、最近S裏がさぁ~」とか意味不明に愚痴り始めても、俺は「へぇ~なるほどね~」と知らん顔。正直どうでもいい。どーでもいいけど、このまま終了してくれ。

しかし、蚊夜が酔い始めた頃から磁極が歪み始めた。

 

蚊夜「あたし、昔さんざん男に騙されて・・・もうホントに最低な人生なんだよ・・・」

 

突然泣き出す蚊夜。それも尋常じゃないくらいに泣いている。泣き上戸というやつだ。

自ら自分の過去を話し出す蚊夜に周りの男は皆同情。「大丈夫か~?良いことあるって!」等と慰めまくる。俺も正直ちょっとかわいそうになっていた。

泣き止まない蚊夜。そんな空気の中、酔っている芝原店長が「眠たいから帰る」とか言い出した。

 

俺「ひとりで大丈夫ですか?」

芝原店長「おぅ・・・大丈夫・・・」

 

どうみても大丈夫じゃない。皆が心配する中、店を出る芝原店長。そして泣き止んだ蚊夜が「心配だから私が見てくる」とか言って店を出て行く。そして、相変わらず俺にくっついてるS裏の彼女を知らん振りして、テキトーに小1時間が過ぎた頃に飲み会は解散。

まぁ、よくある光景だ。

 

しかし、何日か経ったある日。。。

主婦バイト「なんかね、蚊夜のヤツ、店長と寝たんだって。」

はぁ?なにそれ?

深夜の居酒屋。客も引いて店長が休みな心地良い日だった。ホールの主婦の人からイキナリそんな話題が舞い込んできた。

主婦バイト「あたし、以前から芝原のヤツの目の仇でしょ?こないだ更衣室で蚊夜に言われたの。”あたし、店長と寝たんだから(*゚▽゚)”って意気揚々と。」

なんと、自ら噂を振り撒く蚊夜。狂っている。なんなんだ?

たしかにウチの店の主婦連中と芝原店長は対立していた。それはシフト上の問題と、女ったらしの芝原店長の人間性からということは知っていた。でも、なんで蚊夜本人から?

 

主婦バイト「自慢したかったんじゃない?自分は店長派だから。ってことで。」

 

ありえねぇ。何か間違っているぞ。いや、それ以前に蚊夜も蚊夜だけど、芝原店長は何やってんの?

 

主婦バイト「なんでも、皆で飲み会やった日だってさ。」

 

あん?あの後か?よくよく考えれば、2人してフェードアウトしたままだったしな。いやいや、そんな問題じゃなくて。。。

無性に腹が立ってきた俺。確かに蚊夜も芝原店長も好きくないけど、こんな話を知ってしまうと駄目だな。大体店長たるものが軽率すぎる。彼女いるのに。

実際はよくある話だろう。特に飲食店関係は地下で黒々と羽を広げて怪しくうごめくヤツラが多い。だから短期で異動させる企業が多いんだな。

俺はこの日から、ほとんど芝原店長と蚊夜と話をしなくなった。何が泣き上戸だ。何が昔男に騙されただ。ほんの少しでも同情してしまった自分が恥ずかしい。おまえら、無いから。

しかし、蚊夜の暗躍はここから始まったに過ぎなかった。

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蚊夜の暗躍(2)

限りなく暗躍の限りを尽くす蚊夜。

飲食関係の仕事って、どうにも止まらないほどドロドロでグチャグチャな人間関係のところが多い。
男は女を見たらスグに寄ってたかって怪電波を飛ばし、女は間違いに気付かずに罠にかかる。ムジナすぎ。一度、ピラミッドにレベル3で潜ってみろ。魔法の鍵とか取りえるから。

蚊夜は、俺が見た中でも超一級品のイカレた女だ。本気で性根が腐ってやがる。
前回はその一部を書いたが、今回はその後の話を書くことにしよう。

 

前回、芝原店長と蚊夜が堂々と夜の果てに羽ばたいた話をした。

自らの醜態を皆の前で叫んで、主婦連中から相当な非難を浴びていた蚊夜。
もうこれはだめかもわからんね。バイト連中は呆れを通り越していた。
俺は元々、こういう女を激しく嫌う傾向にあるので、すでにどうでも良かったのだが。。。

とある日の出勤前。

俺はいつものように、契約してない駐車場に暗躍駐車をし、腐れ居酒屋の仕事に向かった。

この駐車場距離的に近いのだが、皆して停めるもんで、いつからか腐れ居酒屋専用じゃねぇか?というほどバイト連中で埋めまくり。挙句の果てには、入ってきたばかりの新人に教える始末。おいおい、どこまで狂ってるんだ?ウチの店。堂々にもほどがあるぞ。無理矢理停めすぎ。

こんな状況だから、バイトの出勤時間が同じだと、よく鉢合わせになることもしばしば柴犬。おい、なんだよ。逃げるなよ。そんなにウヘウヘ笑いながらよぉ。あっ、コーラおごって。500mlが120円だよ。いいだろ。
なんともありふれた光景が繰り広げられていた。 のか?

そんな今日も、何故か山田崇がウヨウヨと俺を見つけては寄ってきた。

 

山田「よぉ!ゆーすけくん。」

 

何故かよく解からないが、俺はこいつに呼び捨てにされたことがない。同い年なのに不思議なもんだ。装いたいのか?装飾か?クリスマスツリー!ヽ(゚∀゚)ノ ・・・このやろう。

 

俺「・・・おう。」

 

あまり関わりたくないので、俺はいつもテキトーな返事をする。山田にはこれでいい。
しかし、そこにもう1人現れた。

 

蚊夜「おはよー!」

 

ウヴァ('A`) 出たよコレ。具合わりぃ。。。

3人にまで増殖した18時出勤メンバー。明らかに苦手な2人なので、もう俺はやる気ゼロ。あーあ。

 

蚊夜「なんかKさん、あたしのこと悪く言ってるって。」

 

始まったよ。スグに誰が悪いだの誰が虐げだの誰が気狂いだの、仕事前に聴きたくねぇよ。
大体、Kさんは蚊夜が煽ったんだろ?「あたし、店長と寝たんだからね!」とか自慢しやがってよ。そりゃ、嫌われて当然なんだけど。おまえは気狂いか?

 

蚊夜「なんかあいつムカつくよね。腹を蹴ってやりたい!

 

・・・

おまえ、正気か!?

Kさんは主婦の人で、今度子供が産まれるので辞めるらしい。まぁ落ち着いた良い人だ。

子供が産まれることを知っていて、その発言。

この場で殴ってやろうかと思った。それくらいキレた。

同じ女同士。。。いや、同性とか関係ない。人間なら言えないだろ。人間としてのパーツが欠如しているのか。そうか。解かったよ。

蚊夜のこの発言以降、俺の中でブラックリストから廃棄処理所へと移行した。

たぶん、人生において一番ありえない女だろう。

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