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(序章)関西就職活動
俺が全てを賭けて挑んだデザイン業界。
元々、小さい頃から美術が好きでデザインには興味があったのだが、いつの間にやら調理人としてフリーター生活を送っていた20歳前後。特に夢も希望も無い、今さえ良ければ良いような考え。しかし、この考えに終止符を打ったのがインターネットとの出会いだった。
初めてのチャット、そして初めてのホームページ、ネットにおけるコミュニケーションツールとしての楽しみが凝縮されていたように思える。
しかし、俺は自分のホームページを作るうちに、デザイン的に納得がいかなくなってきた。のめり込んだらどこまでもハマる、深く興味が沸く、そんな性格が仇となり、いつの間にかWEBデザインの仕事を目指したいと思うように。たぶん、何も無かった自分にとっての起爆剤になったのだろう。それに気付いたのは23歳。
改めてデザイン学校に通うことを決意した俺。この歳なこともあるし、なにより北海道には美術大学が無いこともあって、2年制専門学校を選択。せっかく希望を見つけたのだから、テコでも動かない覚悟。後戻りはしない。
学校は札幌にあり、虐げられた僻地に住んでいる俺は自宅から電車通学。毎日往復4時間かけて通い、さらには車のローンやら健康保険・年金などの事情により、某腐れ居酒屋でバイトしながら月12万稼ぐという自虐的な学生生活。学内では皆、アヒャ!ヽ(゚∀゚)ノだのイヒ!ヽ(゚∀゚)ノだの、何かにつけて遊びまくっていたが、俺は一切無視。遊ぶ金も無けりゃ、住処の関係上、暗躍する時間も無い。ひねくれた俺は「遊んでいるヤシは就職でエンディングを迎えれば良い」という考えになっていった。
そんな俺は、就職活動について調べまくる。どうやら卒業する1年前には動いてないと破滅するらしい。そしてデザイナーは「作品集」が必要らしい。などを知り、早期から準備開始。2年生に進級するまでには万端な体制を作った。それが2004年の冬。
そしていよいよ活動開始しようとしたが、ここであることを思いつく。
ああ、北海道以外の土地に行っても良いかな。
そう、別に北海道に拘る必要もない。むしろ、首都圏のほうが将来的に都合が良い。ウチの担任の先生も、不況の虐げられた土地北海道と都会の違いを説明してくれていた。なんでも、都会のほうが利便性や物価が優れているらしい。当たり前か。需要が違うもんな。やはり首都圏推奨か。
俺は、元北海道人でありながら今は大阪の某腐れ居酒屋で働く親友S裏のことを思い出す。
ああ、大阪か。狂っていて楽しそうだヽ(゚∀゚)ノ
これが根本の原動力となり、俺は就職希望地域を関西に絞ることに。まぁ、それ以外にも北海道の地域性に飽き飽きしたってこともあったがな。ただ、これが後の「相当な間違い」の始まりだったかもしれないが。
さて、春休みから行動に移ろうとして、まずは先生に色々と聞く。リクナビ等の就職活動ポータルサイトには登録しているし、次に何をすれば良い?説明会?
先生「直接、会社にアポイント取りなさい。とにかく行け。」
なんとまぁ、気狂いですこと。とにかく行け、と?
先生「普通に就活するより、個人的にアピールできるじゃないか。」
なるほど。そういう真意があったのか。そんなこと今の若者達、確かに誰もしなさそうだしな。
先生は最後に「大手の説明会の日程に合わせて行くと良いよ。」と助言をくれた。そうか、大手もついでに受ければ一石二鳥だな。よし、計画立てよう。
この時点ですでに洗脳されていたのかもしれない。脳内撹拌状態。回しすぎ。
どうせ大手なんだから無謀な所を受けてみよう。リクナビで探して見つけたのは、
株式会社セガ
ぎゃは!無理無理!(*゚▽゚) …説明会予約っと。
こうしてセガの大阪説明会の日程を中心に計画を進めることに。セガれれば良いや。
早速、大阪の親友S裏に連絡を入れる。
俺「就職活動しに行くわ。就・職・活・動がっ!就・職・活・動がっ!ヽ(゚∀゚)ノ」
S裏「わかったって。」
無事に大阪での拠点は確保。S裏くん、お世話になります。
そして俺の次の行動。これこそが本命「アポイントを取って会社訪問」だ。
なにぶん初めての試み。どこから検索しよう?大体、地元じゃない中小企業を探すのなんて無理がある。
しかし、ここで名案を思い付く。
Yahoo電話帳
キタ!架電だ!アヒャ!ヽ(゚∀゚)ノ
そうだ。企業であれば大抵電話帳に載せているだろう。しかもネットから検索すれば全国の会社を洗い流せる。もう、これ以外無いから。
俺は膨大な量の電話帳から、関西のWEBに関連したカテゴリでありつつ、自社サイトを持っている会社のみをピックアップ。エクセルに全部まとめた。数にして300社超。
さて、電話するぞ~(*゚▽゚)
暇を見ては電話をかけまくる。
「私、北海道の○○学校のゆーすけですが、近々関西に滞在致しまして…」
「…会社訪問させて頂けないでしょうか?」
こうだから。これ以外、無いから。
もちろん、気軽に了承してくれる会社は少なく、かなり苦戦した。先生曰く「以前東京に向けて電話したヤツは、確率10%くらいだったかな。」とのこと。こうなりゃヤケだ。ある限り、掛けまくってやる。いたずら電話ではない。
時には
「ああん?北海道?何しに来るん?」
等と言われたり、
「…今忙しいんよ。迷惑だから。(ガチャ)」
等と話も聞かずに虐げられたりしたこともあった。
そんな会社は、即、俺のエクセルの企業リストの中のセル自体を灰色に塗り潰し、「極悪」と打ってやったが。
それでも中には快く承諾してくれる会社も稀にあり、俺は6社のアポイントを取り付けた。感激だ。
いよいよ始まった至上例を見ない就職活動。 リクナビ?日経就職ナビ?知らん。俺は個人的に会社に突撃してやる。ただ、そこで何をしてくるのか?はまったく決めてない。行けば良いんだ。行けば。
無鉄砲に火が付いた俺は、来たるべく春休みに向けて闘志を燃やし始めた。
次回に続く。。。
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(1章)関西就職活動
ついに迎えた春休み。俺は大阪へと降り立った。
さて、予定としてはセガの説明会兼1次試験を中心に、他の企業への会社訪問。短い滞在期間になるが、準備はバッチリだ。
親友S裏と久々の対面。もう1年くらいになるだろうか。
当時、S裏は突然「大阪に行く」と言い残して、空高く飛翔。いや、むしろ突っ込んでいった。
不動産屋に電話して「今度行きます。」と言い、既存の部屋のモノを捨てまくって荷物を最小限に留め、宅急便で送る。自分はそれと同時に大阪に飛ぶ。家はついた日に決めるらしい。またここにも、ありえなく狂っているヤツがいた。
S裏は不動産屋に駆け込み、「今日入れる所ありますか?西成以外で。」と聞く。不動産屋もびっくり。イキナリ北海道からやってきて、今スグ入れる所。だと。無鉄砲すぎ。
それでもある所にはあるもので、比較的立地が良い所に入居が決まっていた。さすがだ。強引に入ったんじゃあるまいな?「俺、道産子すぎ。」とか言ってさ。
そんなS裏の家に着く。なにやら彼女さんがお出迎えしてくれたりした。ほうほう、もう暗躍か?暗躍だろ。黒々と北の大地から、悪魔のごとく丸め込んだのか?アヒャ!ヽ(゚∀゚)ノ
それはともかく、S裏宅は怪しすぎる。
まるで銃弾を撃ったような弾痕が玄関の扉にクッキリとついているし、洗濯機をベランダに置くのは良いが、何故ユニットバスから5mくらいホースで水を引くの?ああ、ベランダに蛇口付いてないのか。無理矢理すぎ。こんな状況。凄まじい。
俺はお世話になるので、メシくらいは材料費を負担して作ってやろうと決めていた。まぁ、こんなんでも調理経験は6年くらいあるし。マズくても食ってくれるだろう。いや、俺が食えればヤツも食いえるハズだ。
近所のスーパーに買出しに行く。
そのスーパーなのだが、きらびやかなネオンで限りない光彩を放っている。なんだこれは?パチンコ屋?24時間?
近所の年中無休の24時間スーパーは、夜中でも狂ったように看板のネオンがギラギラ。すごい。これが大阪か。全てにおいて弾けてやがる。
そこで限りなく鮮度の悪い肉を買ったり、お好み焼の粉を買ったりした。食えれば良いわ。
S裏宅でお好み焼と酒。とりあえず乾杯。就職活動というより、ちょっとした旅気分。まぁ、昼間はキチンと活動するさ。学校行って一切遊んでなかったし、たまには息抜きさせてくれ。
こうして1日目の夜は再会話と、昔2人で色々とやらかした某腐れ居酒屋での思い出話に花を咲かせ、終了した。
次の日。
この日は株式会社セガの説明会。しかも同時に筆記試験をやるという。
もちろん俺はまったく勉強もせずに望む。今更、数学やら英語やらが出ても無理だって。何年遠ざかっていると思っているのよ。インスピレーションでなんとかなるだろ。
確実に狂っている俺。
そして会社に向かう道中は迷うことなく、説明会会場に指定時間よりも1時間早く到着した。
誰も居ないホール。当たり前だ。こんなに早く着いているのは俺だけ。ひとりポツンだ。
結局、他の人が集まり始めたのは開始10分前。とてもじゃないが、「さわやか3組」には見えない。皆、酷く怪しげなオーラを放っている。大丈夫か?こいつら。
そんなヤツラに混ざり、ようやく会場入りした。
会場では、「これからの戦略」とか「セガは素晴らしい」とか「セガはラリー」とか色々聞かされた。予測どおりの展開。俺は以外にも気合が入っていたので、集中して聴けていた。
「休憩を挟みまして、筆記試験に移りたいと思います。」
休憩時間になる。へぇ、タバコ吸って良いんだ。割と気軽なモンなんだな。
俺は喫煙所に行き、タバコを吸い始める。周りにウヨウヨとやさぐれた人達が集まってきた。
学生A「…どうも。今日はどちらから?」
おおぅ!これが就職活動か。見知らぬ人同士がフレンドリーに情報交換。例え、如何にもゲーム中毒のような面持ちで怪しさ95%の人でも、嬉しい。いや~、なんか「学生」やってる気分だよ。
俺「北海道からです。」
自信満々に言う俺。ズバっとな。
学生A「ええっ!北海道?何故そんな遠方から?」
俺「いやぁ、大阪に友人がおりましてね。」
学生A「すごいですねぇ。それだけゲーム業界に賭けている、と?」
俺「いや、賭けてない。」
真っ向から否定する。しかも、唐突にタメ口になってしまった。ゲーム業界?違うから。俺が受けるのはWEB部門だから。
学生A「え?で、では何故?」
俺「いえ、WEBコンテンツがやりたくてね。」
学生A「そ、そうなんですか。僕は、シナリオやりたいんですよぉ。」
俺「ライター?大変ですよね。発想力が無いと。」
学生A「ええ。妄想ですんで。。。」
妄想?なんだ?意味が解からない。関西クオリティなのか?
相手の学生が酷く滑稽に見えてきたので、会話は終了。もう話さない。
休憩が終わり、いよいよ筆記試験。何にも対策してないぞ~!ヽ(゚∀゚)ノ
ところが、不思議なことにスイスイ解ける問題。あらっ?こんなモンなの?苦手な英語すら、どうにかなった。俺でコレだから、皆は楽勝なんだろうな。
全ての工程が終わり、セガを去ろうとするのだが、後ろから声を掛けられる。
学生B「ねぇねぇ、どうだった?」
ああ。もちろん男だ。というか、女の人ほとんど居なかったしな。
俺「え?いや特に。」
もういいから帰りたい。適当に返事をしたのだが、
学生B「俺ね、プログラムやりたくてさぁ◇hん○br□dぽk9お」
歩きながら、延々と異常なまでの早口で会話が続く。早歩きの俺にピッタリ付いて来るプログラマーもどき学生。ストーカーか?どこまでも付いてくるなよ。聞きたくも無い就職活動話を勝手に1人で喋っている。どうした?ヒューズが飛んだか?
結局、駅まで付いてきたのだが、最後に「今度、東京に受けに行くんだ~」と言っていた。そうか、良かったな。どうせ俺は蝦夷だよ。
怪しげな学生に揉まれながら、セガは終わった。次週からは、自らアポイントを取った会社訪問の日々だ。頑張らなくては。
気持ちを新たにした俺は夜、またS裏と酒を飲み交わしていた。
次回に続く。。。
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(2章)関西就職活動
セガの説明会から明けた翌日。この日は土曜日。
土日は普通の会社は休みなので、本格的には週明けからの始動となる。まぁ、土日はギャァオ!ギャァオ!とグレムリンのようにS裏と弾けてやろうと思っていたのだが…
S裏は仕事だった。そう、大阪の某腐れ居酒屋で働いていたのだ。
話を聞くと、やはり北海道でもそうだったように、限りなく独占権を取得しまくりらしい。店長に何も言われない程の威圧感を発動させ、他のバイトを自らの飛躍材料として空高く羽ばたいているらしい。終いには、実直な暗躍をして彼女も出来たとのこと。いいよな、花火見まくりで。俺なんか、漆黒の空間に火花散っているよ。
さて、1人でどうしよう?…ああ、散策に行ってみるかな。
交通の便が良い大阪。俺はそれを利用して、ちょいと旅をしてみようと思った。
とりあえず地下鉄に乗る。なになに、「動物園前」という駅があるぞ?
何気に動物園らしき所を目指すことに。そう、本当に何気に。俺は何も知らなかった。
地下鉄を乗り継ぎ、動物園前駅に到着。ホームは閑散としている。何故かゴミが散らばっていたりする構内を抜けて、地上へ出たのだが。。。
びっくりした。こんな光景があって良いのだろうか?
今日は休日なのに、人はまばら。外の空気は、どんよりとぬるく怪しげな香りに包まれている。そして、道には倒れている親父が沢山。目の焦点が合ってない人達。格好も、やさぐれまくっている。なんだここは?バイオハザード?
異様であり、確実な臭気の中を、スーツで色メガネを掛けた24歳の北海道から来た男が1人歩く。引き寄せられるように商店街に入ってしまった。
商店街のほとんどがシャッターが下りていて、地味に開いてる店もショーウインドウに展示してある服とかがしなびれている。他には「カラオケ喫茶」と手書きで書かれた店から、戦後のような唄と共に酒気が流れてきたり。
昭和だ。
確かな手ごたえ。俺は次元を超越したのか?俺の周りには、世界大戦終了直後っぽい日本が広がっている。間違いない。ここは「昭和」だ。
そんな折、ふと、住所を示す看板が目に入る。
西成区
ぎぃやぁぁぁぁ~~っ!ニシナリーヽ(゚∀゚)ノ
に、西成区と言えば、大阪では色々な意味で有名な地域。ヤバイ!シャバイ!どうするどうする?イヒ!(・∀・)
極度の混乱状態に陥る俺。暑いのに、冷や汗が出てきた。そうだよ、何か変だと思ったんだ。駅に降り立った時から女の人をまったく見かけないし、若い人も皆無。親父連中しか居なかったじゃねぇか。サッサと気付けよ、俺。
しかし、それでも商店街を突き進む。この土地に不似合いなスーツ姿で。しかも色メガネなんか掛けていたりする。なんだろう、好奇心だろうか。それとも、引き寄せられているのだろうか。どこに向かっているのかも解からないで歩いているのだが、商店街の切れ目の交差点に差し掛かった時だった。
なにやら、交差点の左側が騒がしい。人が集まっているようだ。しかも、交差点の切れ目には黒スーツにサングラスの若い男が立っている。
ジッと見られているような視線を感じる。ウヴァ('A`)これって”アレ”やっているんでしょ?「丁」とか「半」とか言っているやつでしょ?そして貴方、見張り役の人でしょ?カタギには見えないものな。
いよいよ臨界点に達した俺。昭和のデジャヴと共に俺は終わるのか?左を見ようものなら、もう駄目ぽだ。いや、むしろ俺の格好が危険だ。確実に空気読めてない。部外者すぎる。
クルッ
何食わぬ顔で、極度にVターン。歩いてるスピードを落さずに180度体を捻じ曲げ、元来た道を戻り始める。俺は何もしてない。なんだよ、見るなよ。
危機一髪で西成区を去ることに成功。無事脱出出来た。いやいや、「動物園前」っていう名称に騙されたわ。詐称だ。そして、こんなに廃退していると思わなかった。西成すぎ。
これは後日知ったことなのだが、俺が歩いていた所は昔の通称で「あいりん地区」「釜ヶ崎」というらしく、普通遊びに行くような地区でないことが判明した。
北海道産まれの俺にとって、西成区の根強い昭和は衝撃的であり、日本の文化というものを垣間見たような気がする。いや、あの光景はリアルバイオハザードと言っても過言ではないだろう。大体、道路で寝ている親父がゴロゴロしてたり、路上で賭博やっている時点でおかしい。狂いを極みすぎ。
かけがえのない危険で貴重な経験をした俺は、ついに会社訪問の始まる週に突入する。
次回に続く。。。
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(3章)関西就職活動
明けた週。ついに会社訪問の始まりだ。
わざわざ北海道から大阪までやってきて、就職活動。変態と称されても仕方ないだろう。
俺はまず、1社目の会社に向かう。
事前にYahoo地図でプリントして、場所は確認済み。大阪は北海道とは格段に違って、交通の利便性がとてつもなく良い。地下鉄を基本に、JR、南海、阪急、阪神、近鉄の電車が網羅しており、どこに居てもどこにでも行ける。北海道?JR在来線だけがメインだよ。
そして、大阪という街はどこかおかしくて、ビジネス街のビルの裏側にマンションがあったり、アパートがあったりする。商業地区と住宅地区とのキチンとした区分けが無い。たまに工場やら飲食店街もまじってたりする。たぶんこれが大阪クオリティなんだろう。どこに行っても何かある。ゴチャりすぎ。
そんな沢山ある内の1つ、某ビジネス街の一角にその会社はあった。
便利なもので、住所にビル名まで入っているので、ビルさえ見つければ問題無く会社に辿り着ける。迷うことなど無かった。会社には指定時間の30分前に到着。
初めての会社訪問に緊張感タップリで突入する俺。
俺「北海道○○学校から来ましたゆーすけです!」
インパクト大。北海道と付けるだけで、こんなにも白い恋人だ。夕張メロンピュアゼリーだってあるぞ?羊肉食べすぎ。
社長「おお!良く来たね。ささ、どうぞ。」
潔くもなく来客用のソファーに座る俺。へぇ、すごいな。これがオフィスというものか。今まで働いてきた某腐れ居酒屋とは大違いだ。あそこは、暗躍気狂いだしな。
社長「ウチねぇ、主にシステム関係なんよ~。病院とかの施設のシステム作っとるんやで~。」
俺「あ、そうなんですか!」
しっかりと相槌を打ちながら、聞く。この全てが後々俺の中で培うことだろう。
社長「君は、何になりたいん?プログラマー?」
俺「いえ、WEBデザイナーの職種は…」
社長「ああ、あらへんあらへん。やっぱりシステム主体や。」
あ、無いの?しゅーりょー!(・∀・)
突如、終わりを迎えた1社目の企業。なんだよ、志望する業種が無いんじゃな…
俺「そうですか。では…」
社長「プログラムやる?来年新卒取るからな。やるなら、今年中に面接試験するけど。最初知識無くても育てるし。」
何故か無理にプログラムを勧めてくる社長。分野違うし。俺が口を挟む余地も無い。話そうとしても一切、聞いてくれない。
俺「ええ、まぁ、そうですね。考えてみます。」
社長「ほな、その時はまた来てくれれば良いし。ああ、でも早くしないと他の人に決まるかもな。」
そうですか。じゃあ、さようなら。
「早くしないと」等と、何故か無駄に不安を煽られたような気がしたのは明確だろう。リーチかけられた。
当初の目的も期待も、全然ズレてきた所で俺は退社。「なんでも良いから行け!」と先生に言われたので、ローラー作戦的にWEB系なら何でもアポイントを取ったんだがな。どうやら俺が先天的に狂っていたらしい。
僅か20分で終了。PHPやらC言語やらオラクルに掻き回された。無理だって。オラクルー!ヽ(゚∀゚)ノ
しかし、これからの他の会社はWEB制作会社なので、次からは大丈夫だろう。
失意のまま、S裏の家に戻った俺は、舞茸2ケース入り特製ハヤシライスと大根と水菜のサラダを夕食に作り、強引にS裏にも食わせたりした。舞茸が見事に踊っている異様に胞子だらけのハヤシライス。S裏は顔を引きつらせながら「美味い美味い」と言ってくれたのは言うまでもないだろう。大丈夫だ。俺はこの時は調理人もどきだったし。というより、S裏は本当の調理人なんだけどな。味?酒飲めば味は解からないだろ。飲め。
次回に続く。。。
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(4章)関西就職活動
会社訪問も2社目、3社目となる内に、段々慣れてきた。
最初の会社はシステム系の会社だったが、その後はれっきとしたWEB制作会社ばかり。まぁ、実際に訪問して何をするか?と言っても、聴くことなんて特に決めていない。というより、企業は細かい情報をさらけ出せるハズもなく、聞けることといってもせいぜい「普段デザイナーとして気をつけていることは?」とか「クライアントとのやりとり」くらいだ。大したことでもない。適当な世間話の範疇。
では、会社訪問の趣旨は何か?
それは、「自己アピール」に尽きる。これ本当。
まぁ、アレだ。学校の授業中に無理矢理手を挙げて率先して発言するようなもんだ。回答が正解だろうが不正解だろうが、そんなことは問題ではない。如何に、自分はこの業界に賭けているか?如何に他の人とは違うか?のアピール。もちろん、普通の就職活動でここまでやるヤツはあまり居ない。せいぜい学校OBの就職先に顔を出すくらいだろう。それでも有効だが、何のコネも無い所から沸いて出たようにコネを作るほうが有益だと思う。自らゼロから繋ぐ労力と手間を、相手の企業は認めてくれるからだ。コネくりまわせ。
さて、というわけで、俺は周った企業には必ず「新卒採用はありますでしょうか?」と聞いている。さり気なく。
ほとんどが中小企業なので、余裕が無い場合が多いのだが、来年もし何かあった場合にひょんなことから声が掛かる可能性が無きにしもあらず。種を蒔いているようなものだ。ちなみにこれが大企業だと、企業訪問すら受け入れてくれないので、そういう所は普通にエントリーしかないだろう。
この2004年の春に周った会社の中には、以前日記でも書いたバナナ社長の会社もあったが、そんな悪魔な会社はサッサと日記ネタで終了、ということで。他はほとんどが良い対応。しっかり時間を作ってもらい、話を聞いて頂けた。
その中でも1社、目を惹く会社があった。
WEB系なのだが、なによりデザイナーが素晴らしい。Flashコンテンツのレベルが高い。まさにフラッシャー。眩しすぎるから。
少数ながらも、全ての会社を振り返って訪問した中では一番「デザイナーらしいデザイナー」がいる会社だった。
そんなそこの社長から言われた一言。
「君、25歳でデザイナーじゃ、無理やわ。遅い。」
なるほど。解かっております。それを承知で、俺は人生を賭けております。
ハッキリと言われたのに、感動。だからといって社長は俺に興味が無いわけでもなく、
「もし、来年春になって決まってなかったら、ウチで面接してもいいよ。」
と言ってくれた。それだけ俺の執念が伝わったのだろうか。
俺の関西就職活動第1弾の収穫は以上。滞在中に受けたSEGAの1次試験の結果の通達も来た。
通過
あはっ!(*゚▽゚) 俺がSEGAの学力試験パスしたって?一度は高校中退してから勉強一切ナシの俺が?な に か 間 違 っ て い る !
そういうわけで、次回は2時審査。作品選考と相成ったわけだ。次を抜ければついに面接。嘘だろ。ありえねぇ。
まぁSEGAよりも、やはり1社でも俺を覚えてくれたのが嬉しい。これからの自信にもなった。
次回大阪滞在は夏休みとなる。それまでに、また会社リサーチやらエントリーやら作品作ったりをしなくては。エントリーなんか、もうほとんど意味が無いがな。首都圏じゃねぇから気軽にいけねぇよ。。。
次回に続く。。。
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(5章)関西就職活動
さて、前回SEGAの1次試験をありえないことにパスした俺。意気揚々と2次試験に向けて始動を開始する。
2次試験は作品選考。これは俺のデザイナーとしての真骨頂だ。見せれる限り見せてやる。
。。。数日後
落ちた。落選。
ああそうですか。そんな甘くないですか。
デザイナーとしては致命的な作品での落選。これには正直参った。具合悪いなんてもんじゃない。
かなり落ち込んでいたが、もう躊躇している暇はない。突っ走らないと。
それからは夏休みまでを精力的に過ごす。作品集を新たに作り直したり、リクナビ登録しまくったり、毎日が戦いの日々。
その甲斐あってか、こんな俺でも興味を持ってくれた会社があった。
まず、作品を送ってくれ。と電話で連絡が来たのだ。
これにはびっくりした。
というのも、ネットのフォームから応募して電話が直接掛かってくるなんて珍しい。ありえないに等しい。これは、、、チャンス?
俺は全力を持って作品集を仕上げ、急いで郵送。かなり気合が入ってたと思う。
・・・それから1週間後。夏休み直前のとある日のことだった。
携帯に直接電話が掛かってくる。この展開、かなりありえないぞ。
俺「もしもし?」
相手「○○会社ですけど、ゆーすけさんですか?」
俺「はい!」
相手「作品、見ましたよ。一回ウチに来れますか?」
俺「本当ですか!?」
相手「うん。是非会いたいと思ってね。まぁ、ウチの場合は面接2回なんやけど、君、北海道だしな。。。」
俺「はい」
相手「ん。。。でも、ここだけの話、君の採用の可能性が高いのよ。」
俺「えっ!?」
相手「あとは実際会って、、、やな。」
俺「わかりました。スケジュール組みます!」
なんと、トントン拍子にコトが進んだ。しかも何だ?「採用の可能性が高い」って。。。
酷く浮かれた俺。当たり前だ。すでに夏なので危機感が募っている。まあ、学校の他の学生は一切就職活動すらしてないのだが、そんなの知らん。時期的にヤバイもんはヤバイ。
こうして夏休みにまたしても大阪へ飛ぶことになった。前回と違って、かなり具体的な展望が見えている。ここで決めてやる。
担任の先生に報告して、またしても他の企業に電話しまくってアポイントを取る。そうだ。まだ安心してはイケナイ。常に自分をアピールしまくらないと。
自己洗脳にも似た勢い。猪突猛進。もう意地だ。
夏のスケジュールを組み、ありえないゆーすけの気狂い大阪遠征がまた始まる。。。
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(6章)関西就職活動
時は夏休み。学生の大半は皆浮かれてさぞ楽しいマンナンライフを送っていることだろう。
専門学校の夏休みは大抵長い所が多い。だからこそグダグダにダレてしまうのだが、ここを如何に上手く使うかが今後の人生に掛かってくるのだろう。小・中・高とは違う意識じゃないとマズイだろ。俺はそう思う。
8月の真夏の真っ最中、俺は大阪に飛んだ。前回の俺に興味を持ってくれた会社の面接の為だ。
そりゃなんと言っても、「採用の可能性が高い」とまで言われたら、行かないワケはないだろ?これで俺の就職活動にも終止符が打たれる。かなりウキウキだ。
もちろん、他の会社にもアプローチは忘れない。合計5社のアポイントを取り、抜け目は無かった。
さて、大阪は尋常じゃない暑さ。雪国な俺にとってはしんどすぎる。日中36度~38度が毎日続く。夜中でも30度は切らない猛暑。これが熱帯夜か。
そんな中、スーツを着ていつもの会社訪問。ビシッとする必要があるので、これは仕方ない。そうだ。これを例えるなら天然の「サウナ」だ。サウナりえるから。アスファルト溶けてるんじゃねぇの?
そしていよいよ迎えた某会社の面接。仮にT社としておこう。
このT社、実は兵庫県にある会社。この時期の丁度8ヶ月後に、あの大事故を引き起こしたJR福知山線沿線の会社だった。
俺は梅田から乗換えでT社に向かう。兵庫県。宝塚市を見て、言いようのない感動を覚えながらの電車旅。ここで宝塚ジェンヌえるのか。なんだか綺麗な街並みだ。
某駅で降りて、ついに辿り着いたT社。時間は昼前。北海道からはるばる面接。狂っているとしか思えない。
俺「失礼します!北海道○○学校から来ましたゆーすけと申します!」
やたら気合が入っていた。第一印象が俺自身の9割を決める。入ってから3分が最大の勝負だ。ウルトりえるな。
部長「おお。まぁ、座って待っとって。」
想像していた面接とは違い、意外にもフランクな感じで進んでいく。部長さん含め、3人対俺での少々アットホームな会話。おお。こんな感じなのか。まぁ、結局社会ってものは全て「人対人」で成り立つものだしな。機械じゃあるまいし、俺はちょっと緊張しすぎていたのかもしれん。
その後、部長と昼メシを食べに行き、午後からはスキル確認の為に実務作業。まるで1日体験入社のようだったが、滞りなく完了。採否は後日ということだったが、非常に手応えを感じて帰った。イケるんじゃね?
大阪に戻り、S裏に報告。またしても酒で祝杯をあげる。アヒャ!ヽ(゚∀゚)ノ だ。
そして、満足感たっぷりで俺は北海道に帰還したのだが・・・
続く。。。